KOBEST が地域活性化を志したわけ(2)

(前回のあらすじ)
将来民宿を開きたいという夢に向け、勉強するつもりで愛媛に移住した私。
観光施設のオープニングスタッフ募集という甘い囁きにつられて行ったのです。
ところがいざ赴任してみると、地元住民の元気がないのです。
そこで私は自分の勉強はいったん置いておいて、地域の活力を取り戻すことをテーマに決めたのです。


私の赴いた村は、1200年もの歴史のある地域でした。
神仏にわたって四国の宗教の中心地として栄えたその村は、つまり文化の中心地でもあったのです。
しかし山中という地理的な不利条件から、次第に時代の波から取り残されるようになります。
さらに近隣に日本一の生産量を誇る紙の町があったため、村の人口流出に歯止めがかかりませんでした。

それでも村民たちは便利な交通さえ手に入れれば大丈夫と考えていたようです。
県道を峠越えからトンネルに変えることを知事に請願したり、高速道路のICを誘致したりと精力的に活動しました。
しかし交通が便利になればなるほど、買い物は隣町に行く人が増え、村内の経済は壊滅的に崩壊していきます。
こうして村民の元気が少しずつ失われていったのです。

私はそんな村に飛び込みました。
早く隣町と合併して「市」になればいい、そうすれば隣町から笑われることもなくなる…
真剣にそう語る村民は少なくなく、来たばかりの私は愕然としました。
こんなところで観光施設なんてムリだ、地域の活力を取り戻すなんてできるはずがないと。

でもある日、村民がその地名産のお茶を淹れてくれたのです。
田舎のお茶だからおいしくないよ、と言いながら。
けれどそのお茶を飲んで衝撃が走ります。
何このお茶、めちゃくちゃおいしい…

それもそのはず、その地ではお茶は30年にわたって完全無農薬栽培。
無農薬で育てるとお茶の木自身が虫や病気から身を守ろうと生命力を高めるため、香りが強くなるのは当然です。
このお茶の真のおいしさに村民はもしかしたら気づいていないかもしれないと思いました。
無農薬栽培は手間3倍、収量3分の1といわれるほど大変な作業だというのに。

完全無農薬栽培の茶畑
完全無農薬栽培の茶畑

このお茶をどうにかして地域活性化の起爆剤に使えないものか。
そこから私の村おこしの取り組みが始まるのです。

(つづく)

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